前回のハンドル右側のデュアルコントロールレバーの分解に続き、今回は左側レバーを分解。
ちなみに、右側のレバーは後輪に付いているギアを変える「リアディレイラー」をコントロールするもので、
今回解剖する左側のレバーは、クランクに付いているギアを変える「フロントディレイラー」をコントロールするもの。
そのフロントディレイラーは、「ガイドプレート」と呼ばれる金属枠を左右に動かしてチェーンを動かし、ギアを変える。
ロードバイクのフロントのギアは通常2段なので、それをコントロールするための左側レバーの構造は単純かと思いきや、そうでもなさそう。
というのも、フロントのギアでチェーンを動かす「ガイドプレート」の位置は大きいギアと小さいギアの2か所だけではなく、それに加えて夫々の少し内側の「トリム」と呼ばれる2か所の位置があって、合計4か所の位置があるのだ。
例えば、フロントが大きい方のギア、リアも最大のギアにチェーンがかかっていると、チェーンの内側が、内側にあるガイドプレートに接触し、異音が発生してしまう。
そこで、少し内側の「トリム」と呼ばれる位置にガイドプレートを移動することにより、チェーンの接触がなくなる訳である。
以上の事を念頭に置きながら分解作業を開始するが、シマノさんはどうも左側レバーの分解をして欲しくないらしく、マニュアル等などに記載がなく、その上、ネット情報もほとんどないので試行錯誤しながら作業を進める。
シールを剥がすと現れたトルクスねじを外すと一気に作業が捗った。
こうして、フロントディレイラーの引き幅が大きい分、軸を遠い位置に造ってあり、加えて、ギアの変換とは関係のない二つの「トリム」の位置を作り出すために、右側より複雑な仕組みになっていることが良く分かった。
今回の分解も、シマノの技術者の奮闘を感じることのできる、かなり興味深いものになった。