くまもと自転車紀行

熊本市およびその周辺を走行した記録や装備・メンテなど、自転車にまつわることがらを中心としたブログです

「デュアルコントロールレバー」の分解

カーボンロードバイクのヘッドセットやクランクのメンテナンスを行ったので、ついでにコンポの交換を行った。

コンポはシマノの「Dura-Ace 7900」という、もう14年ほど前に販売開始となったもので、あまり乗ってないとは言え、かなり古くなってるし、2x10速だし、「もう換え時かな」となった次第。

とは言え、最新版のDura-Aceは電動シフターのみになっちゃってかなり高価(45万円くらい)だし、その影響か、ひと世代前の機械式シフトのDura-Aceは品薄で全く手に入らない。ワンランク下のUltegraも最新版は電動シフターになっちゃったので、結果的に、ひと世代前のUltegra R8000系を通販にて購入。

ちょっと前にコンポ交換したクロモリロードバイクはケーブルの内装が一か所だったのに比べると、カーボンロードバイクは内装箇所が多いのでその分、手間がかかったけれど、

コンポの取り付けおよび調整はR7000 系の105と全く同じなので、その点はスムーズな作業となった。

そんでもって、不要になったDura-Aceのデュアルコントロールレバーを廃棄する前に分解して、シマノの開発の歴史に触れてみることに・・・。

1984年、シマノはシフターのインデックス構造、摩擦の少ないケーブル、スムーズな動作のリアディレーラーなどからなるSIS(SHIMANO INDEX SYSTEM)を開発。

これまでは感覚だけを頼りにしていた変速機構を大きく変えたが、シフターはダウンチューブにあったため、ハンドルから手を放して変速をする必要があった。

選手からの「何とかハンドルを持ったまま変速できるようにして欲しい」との要望に応えて、1990年、STI(シマノ・トータル・インテグレーション)思想のもと、シフト操作とブレーキ操作を1本のレバーで行うデュアルコントロールレバーを誕生させた。

これにより、サイクルロードレースの選手のみならず、一般のホビーユーザーも大きな恩恵を受けることになった。

 

さてさて、このデュアルコントロールレバーの分解は、なかなか難しいんだけど、ネットから情報を苦労して集めて敢行。

Eリングを外すのに一苦労!

SISの軸を抜くのにも一苦労

極小ベアリングにビックリ!

ハンドル内部に仕組まれたSISの機構の神髄を観察した。

 

ところで、驚いたのはこのコントロールレバーの中には意外にも電子部品が組み込まれており、

これはシマノの「フライトデッキシステム」といって、シマノ製のサイクルコンピュータに変速の情報を表示するためのセンサー機構であることが判明。


とは言え、実際にこれを利用したサイクリストは、かなり少数派で、このシステムの開発は立ち消えとなった模様。

何はともあれ、非常に興味深い分解作業だった。