くまもと自転車紀行

熊本市およびその周辺を走行した記録や装備・メンテなど、自転車にまつわることがらを中心としたブログです

自然が呼んでいる その2(シリーズ完結編)

「小」と来れば、次は「大」である。 サイクルロードレースの途中で便意を催す事は当然あるらしい。大概は茂みの中に走りこんで用を済ませ、事なきを得るらしいが、ツール・ド・フランスで総合優勝したこともあるヤン・ウルリッヒという人が、処理を誤り、レーパンの中に、ある程度の量の大便を残したままレースを継続せざるをえない事態に陥ったこともあるという。 われわれレベルのサイクリングの途中では、「小」がしたくなってもそれほど問題ではないが、「大」がしたくなった時は一大事である。つい最近のサイクリングの途中で、急に便意を催した時のように、待ってましたとばかりにトイレがあればよいが、通常そんなに甘くない。

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そういう場合、残された道はひとつ、野グソしかない。「野グソ」というと、何だか汚い響きがあるが、「野雪隠」というと、やや清楚な雰囲気がある。高校生の頃、誰が作ったか、「野雪隠三部作」と言うのがあって、「野雪隠、蟻の行列 うっ止めた」、「野雪隠 尻をくすぐる スミレ草」、 「野雪隠 谷間に響く 下痢の音」というを覚えている。ところが、最近、「雪隠」という言葉自体が死語化しているらしく、まったく聞かなくなった。

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自転車乗りで「野グソ」の話題が出ないのは、「野グソ」をする人が少ないからであろうが、登山愛好家にとっては日常茶飯事らしい。ただし、「野グソ」などと味気のない言葉ではなく、男性の場合は「キジ撃ち(射ち)」、女性の場合は「花摘み」と言うらしい。

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例えば、「ちょっと待って。あたし、小さい花摘んでくるから・・・」という具合に。ちなみに、大を「大キジ」、小を「小キジ」、オナラは「カラキジ」、カレーライスは「キジメシ」、トイレッシペーパーを「キジッペ」、熊の糞は「クマキジ」と言うんだそうな。 登山愛好家にして「キジ撃ち」の達人が詳細を書いているサイトがふたつあったので、紹介する。 キジ撃ち(野グソ)基礎講座 山で野グソをするときに注意しなければならないことは何か? 何を隠そう、私だってサイクリングの真っ最中に「キジ撃ち」をしたことがある。しかし「キジ撃ち基礎講座」を読み返してみると、いくつか作法の誤りがあったことに気がつく。 まず、穴を掘らなかった。・・・というよりサイクリングの時に穴を掘る道具は携帯しておらぬ。 次に、使うべきでないポケットティッシュを使用した。・・・というより通常、サイクリストの場合、ポケットティッシュは携帯していても、トイレットペーパーは携帯しておらぬ。・・・などなど。 とにかく、その時もビブショーツを着用しており、よって上半身を裸にせざるを得ず、加えてそのビブショーツも膝まで下げると、それはもう全裸に近い状態となって、体裁が悪く、加えて気分も悪く、色々考えておる暇などなかったのだ。 ちなみに、小にせよ大にせよ、「キジ撃ち」あるいは「花摘み」は軽犯罪法違反である。ただし、予期せぬ渋滞に巻き込まれた場合などを除く。予期せぬ便意に巻き込まれた場合も情状酌量して欲しいものだが、目立たぬ場所で用を足し、しかも出した物を持って帰れば罪にはならない。 防災グッズの中に簡易トイレが色々と売られているが、サイクリングに携帯できそうなのは次のような携帯トイレで、男性用と、

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女性用

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ともに3個セットで約400円。 登山愛好家によれば、富士山など各地の人気のある山では「キジ撃ち」、「花摘み」した後の多量の置き土産が問題となっており、携帯トイレ等用の回収ボックスを山小屋や駐車場等に設置するなどして、山を置き土産をしないようにする動きがあるとか。 サイクリングの場合を考えてみると、どう考えても、ジャージのポケットに入れるなどして持って帰りたくない気持ちが強い。仮に罪を問われようとも、情状酌量を期待したい。・・・と思うのはわたしだけであろうか?