長い坂道をサドルに座ったままでずーっと漕ぎ続けていると、実は、アソコが痺れてくる。
ただし痺れるのはクロモリロードバイクやシクロクロスに乗っている時で、カーボンロードバイクでは起きない。
クロモリロードバイクに装着していたサドルは「Fisik Arione(フィジーク・アリオネ)」というサドル。
同じくシクロクロスのサドルは、よく似た形状のGiantのサドル。
一方、カーボンロードバイクに装着しているのは、「Specialized Toupe(トゥーペ) Expert」というサドル。
それらの外見上の差は明確で、痺れないサドルは中央部が陥凹しており、中心部には穴まで開いている。 座り方にも依るけれど、サドルの中心部に当たる身体側の部が「会陰(えいん)部」と呼ばれる部で、生殖器と肛門の間の部を指す。 そこの奥には生殖器に分布する血管や神経が走行しており、これを長く圧迫すると「痺れや痛み」が出てくる。
さらに長時間に渡り繰り返し圧迫を続けると、不感症やED(勃起不全)にも陥ると言う。 スポーツバイクのサドルは一般に幅が狭くて硬くできてきている。 ママチャリのサドルの様に幅が広いと会陰部を圧迫しにくいだろうが、ペダリング時に干渉しやすい。
一方、ロードバイクのサドルの様に幅が狭くなるとペダリングには良いが、大事な股間にダメージが起きやすくなるというジレンマ。
米国の医療関係のHPによると、 「男性サイクリスト40名のうち、70%で男性器の著明な血流低下を認め、痺れを感じたのが61%。週に250マイル以上走るサイクリストの19%で勃起不全を認めた。 200マイルを走るサイクリングイベントに参加した463名のサイクリストで31%に一週間続く勃起障害を認めた。 サイクリングと勃起障害の関係について調べた1981年から2004年までの35の研究のメタ解析によると中等度~重症の勃起障害がおこったサイクリストは4.2%で、その危険因子は週に3時間以上のサイクリングであった。 また、サイクリングと会陰部の症状に関する62の論文のメタ解析では50%~91%のサイクリストが性器の痺れを感じており、13%~24%で勃起障害を認めた。」 などの報告があるらしい。 私の場合、痺れが出始めたら、腰を浮かせて漕げばやがて収まるし、
他人が心配するほどの症状
ではないけれど、クロモリロードバイクに装着している「Fisik Arione(フィジーク・アリオネ)」がくたびれてきたので、「Specialized Toupe(トゥーペ)Expert Gel」というサドルに代えてみた。
ちなみにSpecializedは、サドルの形状による血流の影響を実験しており、あまり詳しくではないけど、そのデータを公表しているし、公開実験も行っているらしい。 さて、結果は期待通りで、自宅から俵山峠まで、サドルに座ったまま、赤信号以外はノンストップで走った時も痺れを感じずに済んだ。
自転車も色々と奥が深い。 (最後になったけど、わたしの写っている写真はハジメさんのブログから借用)