昼飯を食ってからちょっとだけクロモリロードバイクでサイクリング。
向かった先は、昨年夏に熊本県サッカー協会のフットボールセンターが開設された嘉島町。
平成9(1997)年に竣工したここの町役場庁舎は
建築家・黒川紀章の設計によるもので、
同町にある国指定史跡の「井寺古墳」の装飾をモチーフとして、
円形をしている。
方形の中庭を中心として、
その円形の建築をブロックに分割し、
廊下で連結することにより「分節化と統合を共生し、古典的な中庭タイプから脱却を計った」という事らしい。
そして、その色は井寺古墳のイメージカラーでもある「ベンガラ」色をしている。
また、倉庫や
駐輪場の屋根は波打っていて、
国土交通省により「水の郷100選」にも選ばれている嘉島町の豊富な湧水のイメージを取り入れている。
次に、庁舎のモチーフとなった井寺古墳へ。
熊本地震で石積みが損壊したため、大型土嚢で養生してあり、
中を伺うことはできない。
幸い、山鹿市にある県立装飾古墳館には井寺古墳の石室のレプリカが造ってあるし、同古墳館のホームページでは井寺古墳の他にもいくつかの装飾古墳の石室内を360度覗いて疑似体験できる。
さて、その装飾の基となる「ベンガラ」であるが、熊本県に装飾古墳が多いのは鉄分を多く含む阿蘇の溶岩由来の地質によるところが大きい。
特に阿蘇のカルデラの内部ではかつてあったカルデラ湖の影響もあり、土壌の7割を占める鉄分に加え、豊富なミネラルを含む「阿蘇黄土」は別名を「阿蘇リモナイト」と呼ばれ、
ベンガラの原料のみならず、畜産飼料添加剤やペット用健康補助食品、土壌改良用活性土、また水質浄化用などに使われる。
井寺古墳の近くの浮島からは強い北風に向かって帰った。
本日の走行距離:28.4㎞