くまもと自転車紀行

熊本市およびその周辺を走行した記録や装備・メンテなど、自転車にまつわることがらを中心としたブログです

パラリンピックの自転車競技

ロンドンで開催されているパラリンピックの自転車競技・男子ロード・タイムトライアルで藤田征樹選手が銅メダルを獲得したというニュースが届いた。

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藤田選手がメダルを獲得したのは、「C3」というクラス。他にも色々とクラスがあるらしいが、知らないので勉強する。 障碍者の自転車競技(パラサイクリング)は競技に使用する自転車により、C、T、B、Hの四つに大きく分けられる。 Cは”Cyclist”の頭文字で、通常の競技用自転車を、必要に応じて最小限の改造を加えて使用する。

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Cは障碍の程度によりC1~C5に分類される。数字が小さいほど障碍の程度が大きい。ちなみにC1は複数肢の切断あるいは重度の神経学的障碍のあるもので、C5は隻腕、あるいは軽度の神経学的障碍のあるもの。

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Tは”Tricycle”の頭文字で、平衡感覚などに問題があり2輪の自転車が使えない場合で、3輪の自転車を使用する。

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TはさらにT1とT2に分類され、T1の方が障碍の程度が強い。

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三輪だと、どうも、ほのぼのとした感じになる。 Bは”Blind”の頭文字で、視力に問題がある場合に使用するタンデム(二人乗り)自転車で、前には健常な人が乗る。

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Bは、さらなる分類はない。

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先頭の方の、健常者。パラリンピックのレベルになると、各国のアマチュアのトップレベルに近い人が乗るようだ。そりゃそうだろうな。 Hは”Handcycle”の頭文字で、文字通り手で漕ぐ自転車。手でクランクを回して駆動する。

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HはさらにH1~H4に分類され、H1~H3までが仰向きで乗るタイプ。

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H4は膝をついて乗るタイプ。クランクに上体の体重をかけることができるので、よりスピードが出るらしい。

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競技としては、室内のコースで行われる「トラック」と屋外のコースで行われる「ロード」。 「トラック」ではタイムトライアル、タンデムスプリント、チームスプリント、個人パシュートなどの競技が、3輪以外の自転車の各クラスで行われる。 「ロード」ではタイムトライアルとロードレースが行われる。 9月4日まではトラック競技が行われ、9月5日からはロード競技が行われている。 以上の事は主にLondon Paralympic 2012のサイトで勉強した。ここでは自転車競技のPVなども観れる。 さて冒頭の藤田選手が銅メダルを獲得したのはC3クラスのロードのタイムトライアル。藤田選手はトライアスロンをしていた大学2年生の時に交通事故で両足の膝から先を失った。それでもトライアスロンへの情熱は変わらず、3種類の義足をつけてトライアスロンを完走し注目を浴びた。その後もトライアスロンの選手として大会に出場しているうちに、障碍者の自転車競技(パラサイクリング)の存在を知った藤田選手は、国内での大会に出場し、関係者から熱心な誘いを受けて本格的に自転車競技を始めたという。4年前のパラリンピック北京大会ではトラック・ロード合わせて3個のメダルを獲得。2009年の世界選手権でのトラック競技のタイムトライアルでは見事優勝し、世界チャンピオンの証、アルカンシェル(虹色)のジャージに袖を通した。日本のパラサイクリングにおけるエース的存在である。

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そのような藤田選手の勇姿、パラリンピックの放映が僅かなのでテレビではなかなか観ることができないのが非常に残念。

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YouTubeにアップされないかなぁ。 ・・・と思っていたら、翌朝にはアップされていた。 (藤田選手は2:30過ぎから登場)