くまもと自転車紀行

熊本市およびその周辺を走行した記録や装備・メンテなど、自転車にまつわることがらを中心としたブログです

強く生きたい

来月に迫ったツール・ド・フランス。そのツール・ド・フランスで、総合七連覇の偉業を果たしたランス・アームストロングの事は、当時、ロードレースなどにはほとんど興味のなかったわたしでも、NHKのスポーツニュースなどで、ある程度知っていた。

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そもそも、『アームストロング』なんて、名前だけでも強そうである。 そうそう、最初に出会った『アームストロング』は『巨人の星』。そう、アームストロング・オズマ。

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セントルイス・カージナルスの強打者だったオズマは日米野球で大リーグボール1号の星飛雄馬と対戦し、その後、中日ドラゴンズに入団。星一徹の指導の下、『大リーグボール打倒ギプス』を装着し「見えないスイング」を完成するなどして星飛雄馬の大リーグボール1号、2号と破天荒な激闘を繰り広げた。

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次が、ニール・アームストロング。

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彼はアポロ11号の船長で、月面に降り立った最初の人類。『一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては大きな一歩("That's one small step for [a] man, one giant leap for mankind."』という言葉は有名だった。

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その次は、ルイ・アームストロング。

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ジャズのことはよく解らんが、彼が唄う"What a wonderful world!"を聴くたびに優しい気持ちになれる。ルイジアナ州ニューオリンズの、彼の生家の近くの「ルイ・アームストロング公園」には彼の銅像が立っているとか。20年ほど前、テキサス州ヒューストンに暮らしていた頃、車で4、5時間のニューオリンズには4、5回行く機会があった。しかし残念ながら、その「ルイ・アームストロング公園」の周辺は当時大変治安が悪く、どのガイドブックにも『旅行者は訪れるべきではない』と書いてあったため、彼の銅像を見に行く機会をなくした。 そしてランス・アームストロング。彼が、ガンの生存者である事を知ったのはかなり時間が経ってからである。 彼は1996年に精巣ガンに罹患し、しかも脳と肺に転移巣が見つかった。精巣と脳の病巣を取り除く2度の手術と過酷な化学療法に耐えた。

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そして1999年のツール・ド・フランスに総合初優勝すると、それから7年連続総合優勝と言う偉業を達成する。 「ガンになる前は、ただ生きていただけだったが、今は強く生きている。("Before cancer I just lived. Now I live strong." )」 彼は闘病中にランス・アームストロング財団を設立。ガンからの生還者のリーダーとして、またガンとともに生きる人たちの代表としての人生を歩んでいる。

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さて、振り返ってみて、自分はどうであろうか? 自転車に乗り始めるきっかけとなったのが、ガンにかかったことであったのは、このブログの冒頭で書いた通り。(http://eco-and-health.at.webry.info/201101/article_1.html) 手術して6年が経ち、幸い再発は無さそう。胃癌や大腸癌などでは『5年生存率』という言葉があるように治療後5年が一応の目安で、その間に再発がなければ、ひとまずは治癒と考える。ところが、わたしが罹った腎臓癌は、子宮癌や乳癌のように、10年以上たって再発することもあるらしい。 加えて、手術の際の傷により左側の腹筋がダメージを受け、萎縮してしまっていることが判明。身体を輪切りにして下から覗き込む像として表すCTの画像で一目瞭然である。

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道理で、腹筋を使うすべての動作でお腹の左半分に、つっぱるような違和感を感じる訳である。 さらには、残った右の腎臓は、術前の検査で、もともと性能の悪い方の腎臓で、毎年の健康診断でも腎機能は低下する一方。ついに腎機能の正常値の範囲を逸脱してしまった。 そんなこんなで、なかなか「強く生きる」ことができないのね、これが。 でも、生きているからには、やはり強く生きたい。

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時には「LIVESTRONG」のジャージを着て颯爽と走ろう。