くまもと自転車紀行

熊本市およびその周辺を走行した記録や装備・メンテなど、自転車にまつわることがらを中心としたブログです

熊本市のコペンハーゲン化は可能か?

「コペンハーゲナイズ(Copenhagenize)」という言葉があるのを初めて知った。 ウェブで調べてみると・・・。 『コペンハーゲンは言わずと知れたデンマークの首都。そのコペンハーゲンはサイクリストの町として知られており、「コペンハーゲナイズ」(コペンハーゲン化する)という言い回しは、各都市が健康的で環境に優しい輸送手段の利用の増大を推進する際に、新たな考え方のキャッチワードとなっている。コペンハーゲンは350キロの自転車専用レーンがあり、市民の3分の1が毎日自転車通勤をしており、まさしく自転車の町である。』 実際に、コペンハーゲン市の自転車文化を紹介する、"compenhagenaize.com"というブログがある。

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http://www.copenhagenize.com/ さらにはその姉妹版のブログ、"copenhagencyclechic.com"もある。

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http://www.copenhagencyclechic.com/ このブログはコペンハーゲンほか欧州各都市での自転車のある街の光景や自転車に乗ったスタイリッシュな人たちをカメラに収め、掲載したもので、「当初はドキュメンタリー的だったのが、徐々に他の都市に自転車文化を提唱するような役割を果たすようにもなってきた」という。 そのコペンハーゲンの駐輪政策に関する発表会があったので、参加した。会場は熊本市黒髪の熊本大学教育学部地域共生学科の実習室。 会の主催者は「くまもと自転車利用をすすめる会(仮称)」で、まずは、都市計画研究者の坪原紳二氏の「『放置自転車ゼロ作戦』とは」という発表があった。

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つづいて、熊本県立大学環境共生学部4年の本田悠人氏の「私が見てきたコペンハーゲンの駐輪事情」

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その後、崇城大学工学部環境建設工学科教授、村田重之氏の「松山市の駐輪事情」という飛び入り的発表があって、質疑応答があった。 概要をまとめると、「熊本市は、中心街の放置自転車対策として、路上の自転車駐車禁止地区の拡大、集約型駐輪場の有料化および民営化を進めている。これに対して、都市計画に自転車を中心の一部ととらえているコペンハーゲンでは、路上の駐輪場が充実しており、熊本市のような集約型の駐輪場はほとんどない。熊本市もコペンハーゲンのように、路上の駐輪場を増やす方向で活動を進めて行こう」というもの。 熊本市中心街の駐輪料金の有料化は最近何度かニュースで耳にし、気になっていたので、その経緯や、内容を知ることができて良かった。また、「自転車の中心街への乗り入れに関する市の担当は生活安全課と都市計画課である。しかし、生活安全課が抑制的な方針である一方、都市計画課では促進的な方針であるなど、自転車の市街地の乗り入れに関しては足並みが揃っていない・・・」など、興味深い話も聴けた。また、ヨーロッパの自転車事情に大変詳しい詳しい人が積極的に発言しておられ、勉強になった。 ただ、経済の成り立ちも、自転車文化も全く異なるヨーロッパの都市の都市計画がそのまま日本の地方都市に応用できるかどうか?また、コペンハーゲンでも見られた、「路上駐輪場周辺の不法駐輪」が横行するのでは?などの疑問も残った。