新型コロナウイルスの感染者数がうなぎのぼりに増えてきている中、氷点下の朝の寒気が緩み始める午前10時頃クロモリロードバイクで二時間ほどサイクリングに出かける。 新屋敷を経由して明午橋を渡り、
県道1号線、県道31号線を走って、ゆうかファミリーロードをゆったり。
硯川から再び県道31号線を北上し、菱形から県道113号線に入り、
鹿児島本線を渡って「菱形の池」を過ぎると、
すぐ「円台寺磨崖仏群」の案内板が見える。
狭くて急な坂を上がって行くと、
凝灰岩の壁面に、釈迦如来坐像など、大小の仏像が彫られている。
作者は不明だが県内最古の磨崖仏群で鎌倉時代のものとされる。
中でも目立つのが阿弥陀三尊立像と、
わずかに彩色の残る釈迦如来坐像である。
近くには駒形に彫った窪みがいくつもならんでいるが、内部の像は確認できない。
かつてはその他の場所にも合わせて70基ほどの磨崖仏群が彫られていたが、その多くは風化してしまっている、とのこと。 そして誠に残念ながら、4~5年前、数度にわたって、これらの磨崖仏群が破損被害に遭った。
仏像の破壊と言えば、タリバンによるバーミヤン磨崖仏の破壊事件を思い出すが、
身近な例では、「廃仏毀釈」がある。
「廃仏」は仏を廃(破壊)し、「毀釈」は、釈迦(釈尊)の教えを壊(毀)すという意味で、Wikipediaによれば、日本においては江戸時代から儒学の興隆でしばしば起きるようになったが、とりわけ明治初期に神仏分離によって神道を押し進める風潮の中で、多年にわたり仏教に虐げられてきたと考えていた神職者や民衆が起こした一連の動きを指すことが多い。
日頃見かける仏像の中の顔面や頭部が破損しているものの多くは廃仏毀釈によるものと思われる。
今回の破損は、おそらくいたずらによるものではないかと思われているが、このような、地方の文化財の保護は難しい場合が多く、防犯カメラなども威嚇効果や抑止効果はあるものの問題解決には至らず、モラルの喚起しかないのが現状の様。 その後は少し道を戻って、田原坂ニュータウンを抜けて、国道3号線を南下し、雪化粧した阿蘇の山並みを眺めながら北バイパスを走って、2時間だけのライドを楽しんだ。
本日の走行距離:32.9㎞