くまもと自転車紀行

熊本市およびその周辺を走行した記録や装備・メンテなど、自転車にまつわることがらを中心としたブログです

六地蔵でひと休み(その1)

サイクリングをしていると、あちらこちらで見かけるお地蔵さん。
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(益城町の県道57号線沿い)
この「お地蔵さん」とは正式には「地蔵菩薩」と言い、仏教の教えによれば、釈迦如来が入滅して、弥勒菩薩がこの世に現れるまでの56億7千万年の無仏の間、われわれ民衆をこの世界の苦しみから救ってくれるらしい。
「お地蔵さん」は、日本では平安時代から広く信仰され、特に子どもの守り仏とされている。そのため多くのお地蔵さんは前掛けをしており、子どもの好むような食べ物や飲み物を供えてあることが多い。
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(新町の三面地蔵、「三面」とは、子ども、水、火)
また、村境や峠などの道端にまつられる、禍・悪霊を防ぎ、旅の安全をもつかさどる「道祖神」と習合したものも多い。
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(地蔵峠のお地蔵さん)
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(狩尾峠(ラピュタ)のお地蔵さん)
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(娑婆神峠のお地蔵さん)
中には、ある特定の病気の治癒祈願などの特化したものも見受けられる。
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(宇土半島の阿呆峠の「くすめき地蔵」は百日咳にご利益がある)
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(和水町の山道にて)
全国的には「地蔵盆」と言うらしいが、熊本では「地蔵まつり」と称して、お盆の後に地域の地蔵を飾り付けてお参りをする風習があり、宇土や大津では特に盛大に行われている。
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(大津のお地蔵さんはほとんどが座っている)
さて、仏教の教えによれば、人の魂は、六道、すなわち、天道・人間道・修羅道・畜生道・餓鬼道・地獄道の6つの世界を転生しているらしい(六道輪廻の思想)。
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地蔵菩薩は本来一体であるが、六道に迷う衆生を救済するために、六道へ分身になって現れるという。
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(玉名の「シンドバット」に近い大覚寺)
この考え方が広まった室町時代以降、日本では、「死んだ肉親・知人たちが、六道のどこに生まれ変わっていようとも、ぜひその人を救って頂けますように」と願って地蔵菩薩の像を6体並べて祀った「 六地蔵 」像が各地に建てられた。
中でも馴染みがあるのは昔話の「かさじぞう」。
(物語の舞台は秋田県だとか)
そう言えば、「となりのトトロ」でも・・・。
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もちろん、熊本でも、あちらこちらに・・・。
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(交通センターの近く)
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(阿蘇坊中の行者通り)
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(二本木の白川沿い)
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(馬見原の日向往還)
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(南阿蘇、中松の旧道沿い)
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(宇土市円応寺のは「地蔵まつり」の中心的存在)
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(七城町の前川水源近くの碧巌寺)
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(高森町の含蔵寺)
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(出町の往生院、中央の座像は「放牛地蔵」)
九州では、このような六地蔵以外にも様々な形態の六地蔵が建てられており、今後は熊本の各地に点在する六地蔵を、数回に分けて紹介して行く予定。