くまもと自転車紀行

熊本市およびその周辺を走行した記録や装備・メンテなど、自転車にまつわることがらを中心としたブログです

六地蔵でひと休み(その2)

路傍で見かけるお地蔵さんには、大きく分けて、二種類あるのに気がつく。 背中に何か付いているのと、何も付いてないものだ。

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上の写真の左のお地蔵さんの背中のものは「光背(こうはい)」と呼び、仏像、仏画をはじめキリスト教の聖人などで体から発せられる後光を表現したものである。 光背の形状の分類として、光を輪であらわした円光、光を二重の輪で表した二重円光、またそれら円光から線が放たれている放射光、蓮華の花びらを表した舟形光や唐草光、宝珠の形をした宝珠光、飛天が配せられているものを飛天光、不動明王などのように炎を表した火焔光などがあるらしい。

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(「仏像の豆知識」より)

そう言えば、「巨人の星」の星飛馬の体からも、「ここぞ!」と言う時には放射光や、

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火焔光が発されていた。

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さて、路傍のお地蔵さんの場合は、光背の多くが「舟形光」である。 ちなみに、熊本市内を中心に100体ほどある「放牛地蔵」の光背には通し番号や句が刻まれている。

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先日、「その1」で紹介した六地蔵は光背を持たないものがほとんどであったが、今回は舟形光背を持つものをご紹介。 「日本一の米どころ」と言っても過言でない菊池平野。

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そこに点在する集落の多くは六地蔵に守られており、その多くが光背を持つタイプ。 神来(おとど)、

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水次(みつぎ)、

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出田、

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木庭、

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加恵の集落の中心にあるものは廃仏毀釈のためか頭部が破損。

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旭志から大津方面へ少し行った片川瀬。

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どれも数百年を耐えた年代物。 菊池市街地の正観寺には比較的新しいもの。

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もちろん、菊池以外にも・・・。 山都町、県道222号線が県道152号線と交わる造別当地区の金福寺。

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そこから近い名連石簡易郵便局前の崖。

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松橋の岡岳公園。

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熊本市南区萩原町の墓地。

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光背をもつ六地蔵は、どちらかというと素朴で、石刻の技術が稚拙なものが多い。しかしながら光背を持たないものより古いものが圧倒的に多い。 それは光背の存在で、多少の雨風を凌ぐことができることと、何より集落の人たちから大切にされているからだと感じている。