くまもと自転車紀行

熊本市およびその周辺を走行した記録や装備・メンテなど、自転車にまつわることがらを中心としたブログです

堰コレクション(その2)

サイクリングで見かけた堰の画像集。第二段にして最終回! 前回紹介した固定堰は構造が単純で、景観に調和していることが多い。

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(マミコゥロードから見える御船川の固定堰)

しかしながら、水流を調節することができないため、洪水時には被害を助長しかねない。 これに対して、可動堰は流量を調節し、洪水時には被害を少なくすることができる。 可動堰は可動部の構造により、「起伏堰」と「引上堰」に大別される。 起伏堰は、水中の構造物を起こしたり倒したりして水流を調節する。堰が比較的小規模で、なおかつ制御する水位幅が狭い場合に採用される。 水中の構造物として、鋼鉄製の扉体を操作するもの。

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(アンカー星人さんお気に入りの菊池川の白石堰)
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(泗水の合志川)
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(菊鹿の上内田川)
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(宇城市小川町の砂川)
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(木山川)

耐久性のあるゴム引布などでできた筒型の袋に空気や水を入れて膨らませるもの(通称:ラバーダム)。

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(合志川)
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(菊池川)

このラバーダムは、倒伏の確実性が高いことや動力面など低コストなことなどから起伏堰として近年よく採用されているらしい。 小野泉水から合志川に注ぐ小野川にはいくつかラバーダムが設置してある。

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(これは空気が満杯)
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(こちらは空気が抜けた状態)

一方、引上堰は、上下に開閉する門扉をもつ。止水が容易で操作の信頼性が高いため、大規模な可動堰のほとんどはこの方式らしい。 川尻の国道3号線に近い加勢川の「野田堰」

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同じく加勢川下流の「六間(ろっけん)堰」

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この六間堰は加勢川が緑川に合流するところにある「河口堰」でもある。この堰が設置されたことにより加勢川~緑川間の船の運航ができなくなった。そのため造られたのが「中無田閘門」である。六間堰により水位の高くなった加勢川と緑川の水位を二つの水門で調節し船の往来を可能にしている。

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(向こう側が加勢川)

最後に、特殊な堰をご紹介。 富合町の新幹線車両基地の南側にある「井樋橋」。加藤清正の遺構である。当時は海岸線がずっと東側にあり、満潮時はここを流れる潤川に海水が逆流していた。海水の逆流を堰き止め、上手にある農地を塩害から守る目的で作られたのがこの「井樋橋」である。

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観音開きの扉は今でも当時のように自動的に開閉をしている。

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(満潮時)

このような構造物は、厳密には「樋門」に分類されるようだけど、「広義の可動堰」として紹介した(一部Wikipediaより引用)。