くまもと自転車紀行

熊本市およびその周辺を走行した記録や装備・メンテなど、自転車にまつわることがらを中心としたブログです

アーチが崩れてモートン病

50歳を超えて始めたロードバイク。身体の老化も相まって、ロングライドには色々な問題がつきまとう。足の異常に気がついたのはロードバイクに乗り出して間もない頃。長い距離を走ると、足裏の先から指にかけて焼けるような痛みを感じることがあり、家に帰り着いて、ビンディングシューズを脱ぐと嘘のように痛みは消えてなくなるのだ。 このような事が、年に数回おこっていたが、それ程強い痛みでもないし、いざとなればシューズを脱げば何とかなりそうで、ほったらかしておいた。 しかし、「それではいかんだろう」、と色々調べて、予め見当をつけて整形外科医に聞いてみると、案の定、『典型的なモートン病』だと言う。

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人間の足には、衝撃を吸収するために3つの『アーチ』が形成されている。

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このうち、足の親指から小指の付け根にかけての『前側アーチ』が、年齢とともに扁平になってゆくと、骨の間を走っている神経が足底からの連続的な力によりダメージを受けやすくなり、痛みがでる。これがモートン病である。

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足先の細いハイヒールを履く女性などでは足指の骨が左右から圧迫されてその間を通っている神経が慢性的に刺激を受け、神経線維が腫大(神経腫:neuroma)している場合も多いらしい。 焼けるような痛み、不快感、時には攣ったようになることが足の中指から薬指にかけて起こるが、人差し指から中指にかけてのこともあるという。 日本のサイクリストにはあまり知られていないこの病気だが、欧米のサイクリング関係のサイトにはよく記載されている。 その対処法であるが、 1)靴が原因と思われる場合は靴を替える 2)クリートの位置を調整する 3)厚めのソックスを履く 4)専用の中敷を使用する などなど。 ちなみにモートン病用の市販の中敷(インソール)としては、 『らくじき』

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『インソールPro』

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などがあり、いずれも2000円前後で売られている。 それでも良くならない時は、病院で注射をしてもらう。 それでも良くならない時は手術だが、とても難しい手術だそうだ。 さて、振り返ってわたしの場合、実は右足のアーチの崩れはすでに15年ほど前、40才の頃には問題になっていた。当時、足の裏の、人差し指の付け根あたりの皮膚が硬くなり、タコのようになって、痛みを感じるようになっていた。

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整形外科医に診せたところ、前述の、「前側アーチ」の崩れと診断され、義肢装具士に足型をとってもらい、矯正用の「足底板」を制作してもらった。2万円ほどの制作費用を取られたが、保険が利くので当時確か9割(現在は7割)は返ってきた。 矯正用の足底板は、前側アーチと内側アーチをサポートするでっぱりがついており、これを靴の中敷として使用する。

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使用感であるが、内側アーチ用のでっぱりはさることながら、前側アーチ用のでっぱりが、青竹踏みのような痛さで、慣れるのに1週間くらいかかった。しかしその後は快適になり、もともと痛かった足裏の、人差し指の付け根の部分はやがて痛くなくなり、テニスなどの運動の際も全く気にならなくなった。結局、2年ほど使用し、その後は靴箱の隅に片付けておいた。 さて、ロングライドを始めてからのモートン病だが、痛みの起こる原因が分かってしまえばそれほど怖くない。わたしの場合は、足の中指と薬指の間の神経が問題なので、その部に余計な圧力がかからないようにすればよい。

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坂道をダンシングで登るときなども足の親指の付け根あたりに体重がかかるように注意している。これに、少し古いけれどオーダーメイドの中敷を組み合わせて、これで鬼に金棒だと思っている。