くまもと自転車紀行

熊本市およびその周辺を走行した記録や装備・メンテなど、自転車にまつわることがらを中心としたブログです

土用の「川祭り」ライド

早朝にカーボンロードバイクで出発して北バイパスを走り、

日の出の時間が少しずつ遅くなるのを感じながら日田街道を北上。

泗水町に入り、

合志川沿いを上流に向かって走り、住吉日吉神社へ。

ここの境内では7月の土用の頃になると雨乞太鼓が奉納されるという。

この雨乞太鼓は、菊池一族の時代この地の領主であった合志一族の隆門(たかかど)が旱魃に苦しむ住民を助けるために太鼓を叩いたところ、雨に恵まれたことから始められたと伝えられている。

同じ日に、集落を流れる井出の取水堰には笹が立てられ、

御幣とお神酒を入れた竹筒、ナス、キュウリが下げられる。

昔は河川が氾濫する原因は川太郎(河童)が原因であるとされ、住民は河童の好物であるキュウリやナスをお供えすることで川の氾濫がないようにと願った。

土用に行われるこの行事を「川祭り」といって、熊本をはじめ、佐賀や長崎他、全国数カ所で行われている。

県道329号線、316号線を南下し、合志市竹迫(たかば)からは県道138号線を南下し、菊陽町を抜けて熊本市東区に入ると、県立総合運動公園の北の鹿帰瀬(かきせ)集落にも同じく川祭りの風習が残っていて、地区を流れる馬場楠井手の岸には竹竿に御幣と供え物を入れる竹籠や藁苞(わらづと)が添えてある。

さらに県道138号線、235号線をひたすら南下して木山川を越えたら左折して、藻川沿いに走って行くと益城町の赤井集落へ。

ここではタコの形をした藁苞(わらづと)の中に陰干しした洗米を半紙に包んだ「おひねり」と素麺、そしてイリコを入れ、竹筒でつくった徳利には御神酒を入れたのが、

赤井水源の外にも小川の湧水部や、

川の畔など、

あちこちで見られる。

湧水が豊富なこの地区では、水の恵みへの感謝とともに、五穀豊穣を願い、さらにはこの時期、水遊びをする子どもたちが河童に引っ張られないようにと、キュウリやナスの初物をお供えするとのこと。

また、昔は、天明や海路口といった海岸端の地区から漁師さんたちが「川のお礼に」といってお供えをしに来ていたらしい。

秋津川沿いの道に入って西へと走ると、益城町の広﨑のポンプ井戸の水神様の所をはじめ、

橋の欄干に

同様のタコの格好をした藁苞や、

お神酒の入った竹筒、それに河童の好物のキュウリ、ナスそれにニンジンなどが彩り豊かに笹に吊るされていた。

健軍や京塚を経由して帰っていると、東バイパスのNTTの電波塔もお供え物の入れ物のようにに見え始めていた。

本日の走行距離:56.2㎞