くまもと自転車紀行

熊本市およびその周辺を走行した記録や装備・メンテなど、自転車にまつわることがらを中心としたブログです

嗚呼、あの球磨川が・・・!

7月4日の朝、テレビに映し出された球磨川の様子は衝撃的だった。
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(人吉市街地)
球磨川洪水.JPG
(球磨村付近)
わたしの住む熊本市内から球磨川までは比較的遠く、八代市街地の球磨川沿いは幾度となく走っているけど、
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(八代市の萩原堤付近)
それより上流の川沿いを走ったのはこの10年で10回程度。
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(遙拝堰から上流になると山岳地帯)
過去の画像データを引っ張り出して、その時の球磨川およびその支流の様子を振り返ってみた。
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(先導は人吉在住のmotteaさん)
熊本県内の四大河川のうち、主に平野部の流域が広い菊池川、白川、緑川に比べると球磨川は人吉盆地から八代平野までの約60㎞は急峻な谷間を流れている。
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(国道が走る対岸には、おあつらえ向きの生活道路)
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この区間では、過去にも度々崖崩れが起こり、川沿いを縫うように走る生活道路や国道、鉄道が不通となることがあった。
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(相良橋も流されてしまった)
このため夏の夕立などでも規定以上の雨が降ると、危険個所の安全確認を済ませるまで鉄道は一旦ストップしてしまう。 一度、湯前(ゆのまえ)から輪行して帰る途中、
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(当時くまがわ鉄道では自転車をそのまま乗せることができた)
自転車を袋に詰め込んで人吉駅で肥薩線に乗り換え、人吉市街地を抜ける頃から夕立に見舞われて白石駅で列車がストップ。
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結局タクシーで八代駅まで行って鹿児島本線を輪行で帰った。 さらにその上流の人吉球磨盆地では球磨川は他の河川と同じような顔を見せていた。
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人吉から湯前までの球磨川沿いにはサイクリングロードが整備されていて、
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周囲の景色を楽しみながらペダルを漕ぐことができる。
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しかしその上流は雨量の多い急峻な山岳地帯なので、一旦大雨が降ると一気に水かさが増し、これまでも人吉球磨盆地では、頻回に洪水が発生している。
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(球磨川の最上流部にそびえる市房山)
1960年には球磨川上流に市房ダムが造られたが、
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市房ダム湖畔.jpg
(市房ダム湖畔)
1963~65年の3年連続で大水害が起きたため、球磨川の最大の支流である川辺川(かわべがわ)の治水を目的に1966年から九州最大級の川辺川ダムの計画が進められた。
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(球磨川に合流間近の川辺川)
水没予定地の五木村では
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約500戸が移転を余儀なくされたが、
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「日本最後の清流・川辺川を守ろう」と反対運動が勃発。流域市町村の意向をくんだ熊本県知事は2008年9月に計画反対を表明して国も計画を中止。
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(五木村付近の川辺川)
2009年から国と県、流域市町村で「ダムによらない治水」を協議してきたが、10年余り、打開策を打ち出せずにいた。 「もし川辺川ダムができていれば・・・」と思わないでもないが、兎にも角にも、球磨川流域の方々には一日も早く日常の生活が送れるよう、微力ながら、応援したい。
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(球磨川センチュリーライドでの一枚)