くまもと自転車紀行

熊本市およびその周辺を走行した記録や装備・メンテなど、自転車にまつわることがらを中心としたブログです

ロードバイクのスプロケット交換(後日談)

前々回の記事に書いたように、ネットで情報を集めて、ロードバイクのスプロケット初交換を終えたが、気になる点がひとつあった。それは「ロックリングの締め付けトルク」。

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後輪のスプロケットは上図一番右の「ロックリング」の締め付けによって上図一番左の「フリーホイール」に固定される訳だが、交換したShimano CS-5700の取扱説明書には締め付けトルクの設定が書いてあった。

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すなわち、「30~50N・m(300~500kgf・cm)の範囲内のトルクで締め付けなさい」という注意書き。 ところが、自転車のスプロケットの交換法を紹介しているサイトでは、ロックリングの締め付けに関しては、「あまり強く締め付けないように」とか「適当な力で締め付ける」というような記述がほとんどで、トルクレンチを使用しているのはわずかであった。 さらには、ロックリングの締め付けが弱く、走行中にロックリングが外れて走行不能に陥った事例を紹介しているサイトもあり、テキトーな力で締め付けたロックリングのことが少し気になってきた。 そこであまり気にしてなかった「トルク」について、もう少しについて考えてみることにした。 ロックリングの指定締め付けトルクの中央値は40N・m(400kgf・cm)だが、これは、「(重さを無視した)長さ1mのレンチで端っこに4kgの重さで締め付けること」と言い換えることができる。 うちにあるモンキーレンチの長さが23cmくらいなので、40N・mのトルクで締め付けるためには、レンチの端っこに約17kgの重りをつければよい、という計算になった。

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息子たちが筋トレに使っていた8kgの鉄アレイを2個と1kgの鉄アレイ1個を紐で縛り付けて、モンキーレンチの端っこの穴に吊るす事も一瞬考えたが、大人気ないかな?と思い、トルクレンチを購入することにした。ところが自宅近くの比較的大きなホームセンターに行っても見つからないどころか、店員のお兄さんに聞いても、トルクレンチの存在自体をご存じない。そこで、サイクリングがてら、自宅からかなり離れた、熊本市内でも最大級のホームセンターまで行くと、流石においてあったが、高価な「デジタル方式」以外のものは数種類だけであった。その中で、「トルクレンチ微調整タイプ 測定範囲19N・m~110N・m」(Made in Taiwan, 3980円)というものを買って来た。「安いトルクレンチは良くない!」というサイトもあったが、震災の義援金を沢山送ってくれた台湾の恩に報いたい!と購入を決心。ソケットが付いてなかったので、差込角9.5mm(3/8”)のタイプで大きさ24mmのものをひとつ(480円)だけ買った。

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全長36cm、重さは800gほどある。使い方は簡単で、ソケットを装着し、トルク設定のために、柄の端にあるロックを緩める。

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取っ手の上端にある目盛りを希望のトルク(N・m)数に捻ってあわせる。

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ロックを締めて、ナットを締め付ける。 指定したトルクを超えると、クリック音が聞こえるらしい。

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作業にとりかかる。前回と同様に後輪を外し、クイックレリースを抜き取る。ロックイン工具を入れて、スプロケットはずしを装着し、ロックイン工具をモンキーレンチで挟んでロックリングを緩める。

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そして今度は40N・mにセットしたトルクレンチで、クリック音が聞こえるまで締め付ける。

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この時、ロックリングを締め付ける際に、ロックイン工具自体が「カク・カク・カク」となるので、最初はトルクレンチのクリック音が判りにくかったが、何度か試しているうちに違い(レンチのヘッドが少しカクンと折れる感覚)がはっきり判るようになった。 試しに、設定通りのトルクで締め付けたロックリングをもう一度緩めてみると、以前よりも、かなりの力が必要であった。モンキーレンチで、勘に頼っていた時は、かなり弱く締め付けていたらしいことが分かった。 締め付けトルクの設定がある時はできるだけトルクレンチを使おうと思う。 後輪を元に戻して作業を終了した。 ・・・さらに、もうひとつ後日談あり!