熊本県内の磨崖仏を調べていたら、国指定の史跡「地辺寺(ちへんじ)跡」の関連史跡にもありそうなことが判った。
「地辺寺跡」には2015年の2月に「味生池(あじうのいけ)」を探索するついでに行ってみたが、その時は保存整備工事の最中だったので、7年振りに行ってみる。
朝は冷え込んだので陽が上るのをまって7時半頃クロモリロードバイクで出発し、太甲橋のところから白川左岸を川下へ走る。
二本木あたりで白川を渡り、路地を走って坪井川沿いの道に入る。
高橋町を散策後、井芹川沿いを遡上して池上町のところで左折し、坂を上って2㎞弱走ると地辺寺跡に到着。
池辺寺(ちへんじ)は、熊本市西区池上(いけのうえ)町にあった山寺で、奈良時代に創建されたと伝えられる。
長い間、伝説上の寺であったこの寺については昭和61年の調査で百塚地区で寺跡が発見されて以来、現在でも発掘調査が続いていて、全国に類を見ない、斜面に並ぶ100基の石積みなどが見つかり、国史跡に指定された。
保存整備工事が平成28年4月に終了し、発掘調査時の状態を見学することができる。
入口の休憩所には詳細な解説板があり、
金子塔(かなごのとう)のレプリカが立っている。
池辺寺のことについて記述された碑文が刻まれており、発掘調査の重要な手掛かりとなった石塔とされている。本物はここから北西500mほどの西平山の山中にあるというので行ってみた。
北西の方向のミカン畑へ進み、
丁度収穫作業を始めていたおとうさんに伺うと、金子塔への行き方を教えてくれた。
その上り口から、ピンクのリボンを目印に、
足場があまり良くない山道を300mほど上って行くと、
目指す実物の金子塔は倒木で損壊しないように鉄柵で四方を覆われて保護されていた。
再びピンクのリボンを目印に道を戻り、教えてもらったおとうさんに御礼を言いにミカン畑に入ると、サコッシュ半分ほど、ちぎりたてのお土産をいただいた。
旅をする蝶「アサギマダラ」が羽根を休める山道を下って、
百塚地区の東側の平地区の南へ山道を上り、
日影山の尾根を越えた辺りにあるのが「ワクド石」。
この石を横から見るとカエルに似てるということで、この名が付いている。
詳しくはよく解らないが、江戸時代の天明~寛政頃の作と言われ、中央には阿弥陀如来の立像と思われるものが線刻されていて、
朱色が所々に残っている。
所謂、崖に彫られたものではないが、このような巨石に彫られたものも「磨崖仏」と呼ばれており、この石は池辺寺と高橋町にある聖徳寺の領境を示すものとも言われている。
池辺寺跡および関連史跡が散在する池上町を後にして
万日山トンネルをくぐり、白川右岸の道に入って帰った。
本日の走行距離:25.8㎞