台風9号が九州方面へ迫る中、早朝にクロモリロードバイクで出発し、
白川沿いに
熊本新港まで走った。
その道すがらに上ったのがJR熊本駅の北西にそびえる標高132メートルの花岡山。
仏舎利塔で知られるこの山は、かつては「祇園山」と呼ばれていた。 というのも、平安時代にはこの一帯に国府が置かれ、都から下向した国司たちの影響で祇園、
春日など
京に因んだ場所があちこちに。
そんな花岡山に上って行くと中腹には神風連の乱で殉職した官軍兵らの墓地があり、
その横には西南戦争の際の薩軍の砲座の跡や、
細川忠利の家臣で切支丹の小笠原玄也一家の殉教碑などが立っている。
そして頂上にはインドの故ネール首相から送られた仏舎利が納められた仏舎利塔の他、
熊本城築城時の加藤清正にまつわる史跡や、
明治初期にキリスト教で日本を救おうと祈祷会を開いた熊本洋学校の有志達(熊本バンド)の集会場跡、
それに太平洋戦争時、フィリピンでの戦死者の慰霊碑など色々な史跡が並んでおり、
この山に上ると熊本が歩んできた激動の歴史を垣間見ることができる。 そしてその頂上から、朝靄に煙る市街地のビル群を眺めていると、
「有史以来、この地で起きて来た災害に比べるとコロナ禍なんてまだまだ・・・」とも思えてきて、幾分軽くなった気持ちで坂を下った。
本日の走行距離:42.5㎞