先日の日曜日、家内と連れ立ってアスペクタの中にある「南阿蘇桜公園」に行った時、
俵山周辺で「野焼き」が行われていて、昼過ぎになるとアスペクタの敷地内でも作業が始まった。
5mほど離れていても焼けるような熱さを感じる炎に、あらためて人と自然の営みを肌で感じてきた。
そんなこともあり、今朝は野焼きの後の荒涼とした景色をあらためて堪能しに俵山峠まで行ってきた。
さて、阿蘇の草原を維持するまてに欠かせないこの「野焼き」は、平安時代の法律「延喜式」に阿蘇の牧野に関する記述が見られることから千年続いている「千年の草原」というような表現がよく使われてきた。
ところが、先週の金曜日にNHK熊本の番組「くまもとの風」で放映された「サイエンスZOERO」によると、
野焼きが行われてきた土壌は、通称「黒ボク土(黒くて、ホクホクするような土の意味)」と呼ばれており、日本に固有の、火山灰と腐植からなる土壌とされてきた。
阿蘇の草原の地表を調べてみると、火山性の地層の上に約1万3000年分の黒ボク土の地層があり、その黒ボク土の成分を詳しく調べてた結果、縄文時代の初めとされる約1万3000年前から野焼きが行われていた可能性が高いとのことだった。
さらに調べてみると、黒ボク土とススキの組み合わせにより多量の炭素を土中に取り込んで大気中の二酸化炭素の軽減にも寄与しているとのこと。
そこで、本日わざわざサコッシュにて持参した移植コテで野焼きの地面を掘り、ススキの根をかき分けて黒ボク土を掘り出す。
このところ連日何十回もアルコール消毒ばかりしている手で黒ボク土の「ホクホク感」を感じて、遥か縄文時代から続く人と自然との関わり合いに想いを馳せた。
帰路、阿蘇くまもと空港に近づいた頃に、やっと青空が広がってきた。
本日の走行距離:60.6㎞