くまもと自転車紀行

熊本市およびその周辺を走行した記録や装備・メンテなど、自転車にまつわることがらを中心としたブログです

美里町の石橋めぐり

先週末に見た「耶馬渓橋」に触発されて美里町の石橋を見に行った。

DSC06390.jpg

いつもと同じく、まだ暗い時間帯にクロモリロードバイクで自宅を出発し、中ノ瀬橋、めど町橋を渡って左折し、緑川沿いを走って、甲佐を抜けて美里町に入り、水路橋を中心に大小5つの石橋を廻った。

DSC06424.jpg

大きい順から紹介すると、まずはお馴染、「霊台橋(れいだいきょう)」。 緑川本流の最大の難所である船津峡に架けられた石橋。

DSC06417.jpg

全長90m・高さ16mで明治以前に竣工した石橋として日本最大のアーチ径間を誇り、大正、昭和時代の石橋を含めても日本で三番目に大きい。また、単一アーチ石橋として熊本県で最も大きい。

DSC06416.jpg

当時としては前例のないような大きな石橋は、梅雨と台風が来る季節を避けて造られたためわずか6-7か月の工事期間で、架橋を担当した種山石工の卯助は、あまりの大工事に心労が重なって、それ以後二度と橋を造らなかったと言われている。 次が「雄亀滝橋(おけだけばし、おけだきばし)」。 「当惑谷」と呼ばれるほどの山深い谷に架かる用水路・柏川井出の水路橋。

DSC06410.jpg

全長:15.5mで橋幅:3.6mの中を通る水路は石樋で、漏水を防ぐため塩を混ぜた漆喰を使用してあり、通潤橋の設計時に参考にされた。

DSC06407.jpg

種山石工の名工・岩永三五郎の初期の作で現役で利用されており、日本で2番目に古い水路橋とされている。前述の霊台橋と共に県指定の文化財。

DSC06411.jpg

お次は「風呂橋(ふろばし)」。 「美里町カントリーパーク」の南側の風呂川に架かる萱野井手の水路橋。

DSC06398.jpg

橋長:9.5m、橋幅:約1.0m、高さ:3mで架橋は1819年(文政2年)。1999年(平成11年)台風被害で損傷したが、地域住民の強い要望により、県の事業で2003年(平成15年)に復元された。

DSC06394.jpg

そして霊台橋から北へ峠を越えた筒川沿いの集落にある樋渡橋(ひわたしばし)。

DSC06418.jpg

この石橋は現在も使われている今村井手の水路橋。

DSC06419.jpg

路面長 2.50m、幅 2.05m、水面より 1.40mの小さな石橋で、注意してないと見過ごしてしまいそう。

DSC06423.jpg

最後にご紹介するのが「平成未来橋」。 美里町文化交流センター「ひびき」の南側、地区の公民館入口にあり、平成13年5月に架けられた美里町内で最も新しい眼鏡橋。

DSC06399.jpg

橋長:5.5m 橋幅:1.65m、高さ1.5mのこの橋は近くに住む後藤さんが地区のために架けた。

DSC06403.jpg

熊本国府高等学校パソコン同窓会製作のHP「肥後の石橋」によれば、後藤さんは霊台橋を見て育ち、いつか自分でも眼鏡橋を造ってみたいという夢を持っていたそうで、自宅の蔵を解体した時の石を利用し支保工の組み立てから輪石積みまでほとんどが独学の手造りとのこと。 橋の名前は、地区で募集され、最も多かった「平成」と「未来」を組み合わせて命名。

DSC06400.jpg

小さいけれど、県内でも石橋の数がもっとも多い美里町にふさわしい眼鏡橋だと思う。

DSC06402.jpg

美里町で今も活躍する大小の石橋を堪能した後は、緑川沿いに甲佐町に入り、元来た道を帰った。

DSC06429.jpg

本日の走行距離:81.6㎞

走行図説明入り.JPG