家内と一泊がけで耶馬渓に行って来た。
山国川流域に広がる広大なエリアで、とにかく熊本ではあまり見かけないような岩山が至る所にあって、
大変多くの見所があるが、
そんな中でも行ってみたかったのが、菊池寛の小説『恩讐の彼方に』のモデルとなった「青の洞門」。
その「青の洞門」の近くの「サイクリングセンター風水園」で
レンタサイクルを借りて「青の洞門」とその周辺の景勝地を廻った。
初めて乗るタンデム自転車に苦戦しながら、まずは「耶馬渓橋」。
青の洞門の下流500mほどの山国川に掛かる「耶馬渓橋」は、大正時代に造られた116mに及ぶ日本最長の橋長で、8連のアーチは日本最多かつ唯一と言う石橋として2つの日本一を有しているという。長崎の石橋に見られる平積み工法のため地元では「オランダ橋」と呼ばれている。 その石橋を渡って、いよいよ緊張しながら、3分毎の交互通行の「青の洞門」へ。
かつては難所で、遭難者が絶えなかったこの地を、江戸時代の僧・禅海が享保20年(1735年)から自力でその岩壁を掘り始めた。
やがて村人が手伝うようになり、和尚は托鉢して資金を調達し石工を雇うようになり30年もの歳月を経て、元和元年(1764)に洞門を貫通させたという。
その後、度重なる改修を受け、洞門の原型の多くは失われたが、
トンネル内の一部や明かり採り窓などに、
当時の面影を残す手掘り部分が残っている。
洞門を堪能した後、タンデム自転車に次第に慣れてきて山国川の支流である跡田川の上流方面へ頑張って走って、腹が減ったので昼食をとり、
そして「羅漢寺」へ。
羅漢山の岩腹に張り付いたように建てられたこの寺の本堂へは険しい参道を歩いても行けるが、時間もないので今回はリフトで。
本堂周辺は撮影禁止なので、その様子はこちらのサイトを参照していただきたいが、日本最古の五百羅漢をはじめ、約3,700体以上の羅漢が整列するさまはまさに圧巻。 その他にも様々な仏像があちらこちらに建ててあり、六地蔵幢も一基見かけた。 さて、今回レンタルした自転車は二人乗りのタンデム自転車。
このタイプの自転車は各自治体の定める条例によって制限されているが、公道全般を走行できる地域が増えつつあり、現在は28の府県が一般公道での走行を解禁している。 わが熊本県では自動車専用道路又は自動車歩行者専用道路にて利用可能となっているが、その他の公道での走行は禁止とのこと。 一般公道での走行が許可されている大分県で、3時間ほどの、束の間の「二人乗りタンデム自転車サイクリング」を愉しんできた。