鹿児島県から宮崎県の一部、旧薩摩藩の領内の田んぼのあぜ道には、しゃもじやすりこ木や椀を持ち、頭に甑簀(こしきす・シキ)をかぶって立っている石像を眼にする。
稲を守り、稲作の豊穣をもたらすと言うこの石像は「田の神様」で、地元では「たのかんさぁ」と親しみを込めて呼ばれている。
また、一部の石像では後ろから観た通りに、子孫繁栄を祈願するものでもある。
最初に見たのは1年半前、長島を訪れた時で、その後、今月初めに薩摩川内から姶良へ走った時には県道の路傍にも数体の田の神様を見ることができた。
この他、鹿児島だけでも約2000体の、バラエティー豊かな「たのかんさぁ」が立っているという。
ところで、先日も行ったのだが、3年前の田植え時にも訪れた産山村の扇棚田でも同じような石像を見たような気がしてブログを見返してみると、確かに写っていた。
聞けば、ここの棚田を所有する佐藤氏のおじいさんが置いたとのこと。 さらには、内牧の、はな阿蘇美の裏手の川沿いにも10年ほど前に立てられたという、比較的新しい「田の神様」を発見。
さらにさらに、ネットで調べてみると、山鹿にも2か所、「田の神様」がおられるとの情報を得たので、行って見ることにする。 用事を済ませて、午前11時過ぎにクロモリロードバイクで自宅を出発。 明午橋を渡り、比較的走りやすい坪井川沿いを遡上。小野泉水公園を経由して植木温泉からゆうかファミリーロードに入り、宮原からは国道3号線を走って山鹿に到着。
「千代の園酒造」の史料館の前の中庭に2体の田の神様が微笑んでいらっしゃる。
聞けば、お酒の原料である米の豊作を祈願・感謝して、五穀豊穣の神として名高い「田の神様」をここに置いたとの事。 その後、豊前街道を走って、「桜の湯」の前の「千鈴」でチキンカレーセットをいただいた。
それから熊入を経由して「日輪寺」へ。
ここの本堂の前にも「田の神様」がいらっしゃると言うので来てみると、なんと大小6体もの「田の神様」が水子供養の石像に混じって立っておられた。
坊守さんに事情を伺うと、すべて門徒さんからの寄進である、との事。 中の数体は先ほど訪ねた千代の園の中庭のものとかなり雰囲気が似ており、同一作者によるものと思われた。 さて、本日、フードパーチに入れてきた補給食は、
先日、八代の知り合いから頂いた、かるかん饅頭。
鹿児島産と思ったら、八代産で、田の神様にしろ、かるかん饅頭にしろ、いいものは鹿児島から熊本へ”ディストリビュート”しているわけね。 日輪寺からは農道を走って、おおやぶサイクルに寄り、
黄金色の田舎道から合志川沿いに入り、
小野泉水公園から夕方も交通量が少な目の高速道路沿いの道、
そして北バイパスの歩道へと帰った。 本日の走行距離:73.7㎞