くまもと自転車紀行

熊本市およびその周辺を走行した記録や装備・メンテなど、自転車にまつわることがらを中心としたブログです

すこしだけ日向往還(その4)

熊本から延岡に至る古道・日向往還を自転車で走るシリーズ第4弾。 最初に御船から北中島まで、次に熊本城から御船まで、それから北中島から矢部までをひとりで走った。 馬見原までは走るつもりだったけど、矢部から先の日向往還は、地図にない未舗装道の区間が多く、自転車を担いで行かないといけないところもありそうなこともあり、頓挫していた。 しかし、その後同様に熊本城から矢部までの日向往還をひとりで走った「みきたか」さんが、今回、矢部から馬見原まで走ろうと言い出したのに乗じて、1008さんも加わって3人で走ることになった。 1008さんにピックアップしてもらい車載で矢部の道の駅・通潤橋の駐車場へ。

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シクロクロスバイクを組み立て、

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サイクリングスタート。 現在の矢部高校の敷地にかつてあった「浜の館」。

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承元元年(1207)、阿蘇大宮司惟次が南郷より矢部に移り、居館として設置したのがこの「浜の館」で、天正13年(1585)まで歴代の大宮司は武将として活躍した。 坂を上って98体目の放牛地蔵と追分石。

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少し進んで、標石の向こうにある「こぶれがし」は通潤橋水路の試作品。

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聖橋は矢部では一番古い石橋。

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塔の原古戦場

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「竜の鼻の道標」は元禄十二年(1699)のもので、熊本県最古の道標だという。

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阿蘇氏所縁の男成神社。

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神社の参道横の茶畑には西南戦争時、砲台があったらしい。

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「山屋トンネル」は凝灰岩を掘り抜いた素掘りの隧道で、本日のハイライトとでも言うべきポイント。

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その出口にはお地蔵さんが旅人を見守っている。

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そこを下って舗装道に出ると、丁度、「日向往還徒歩の旅」の子ども達と遭遇。

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馬見原から熊本城まで約70kmの日向往還を3日間かけて歩くという彼らに心からのエールを送った。 さて、貫原橋を過ぎると

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山道に突入。

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ここいらから、昨夜来の雨の影響でぬかるみが出来ていたり杉の小枝がいっぱい落ちていてスポークに絡んできたりと悪路になってきたが、1008さんは気にせずライドを続ける。

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みきたかさんとわたしは、転んだりして、こんな風になりたくないので、

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すぐに、押しを入れてしまい順調には進まない。

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そんなこんなしていると、なんと未舗装道が完全に崩落しているしている箇所にぶちあたる。

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わずかに残る幅10cmほどの草むらを自転車を担いで歩いて行くのは危険過ぎだし、かといって後戻りはしたくなく、四苦八苦して山側の竹林の中を迂回して、なんとか先へ。

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(みきたかさんのブログから拝借)
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その先も舗装道に出たり、未舗装道に出たりして、しかも分かれ道も多いけど、数多くの標石や、

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一週間前に行われた「山都町歴史ウォーク」の矢印が道路に残っているので、助けられた。

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色んな標柱の中には、側面に「明治10年4月西南戦争で西郷軍敗走の道」と書かれているものも。

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「虎御前」の集落の名は、日本三大仇討ちの一つ「曽我物語」で有名な曽我兄弟の兄、曽我十郎の愛人の名前に因んだもの。

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ちなみに三大仇討ちの他の二つは「赤穂浪士の討ち入り」と「伊賀越えの仇討ち」。 さてその仇討ちで本懐を遂げた後、捕らえられて果てた十郎の供養に、愛人の虎御前が全国を廻って松を植え、この地も訪れて松を植えたという伝説から地名がついたそうな。 そんな虎御前小学校跡から景勝が見られるとのことであったけど、今日は天気が良くないせいか、大した眺めではなかった。

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相変わらずの未舗装道区間でアップダウンを走り、

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幣立神社の近くでは再び道が崩落している部があるが、こちらは仮設の橋が渡してあった。

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予想を遥かに上回るアドベンチャー。

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なにせ、日向往還の矢部~馬見原は、種田山頭火が「分け入っても 分け入っても 青い山」と詠んだ所と言われているのだ。

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そして、矢部から約20㎞の道のりに4時間弱かかって、やっとこさ馬見原に到着。

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関所が置かれた宿場町の風情を残した街並みを走り、

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若山牧水の歌碑や、

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火伏地蔵、

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西南戦争関係の史跡を見て廻り、

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肉のみやべ屋で「馬見原バーガー」を食らう。

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「九州のへそ」を見て、

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帰路は国道218号線を向かい風ながらひたすら快適に西へ走って、

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あっと言う間に矢部に到着し、お馴染みのチポリーノでひと心地つく。

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いつもながら、差し入れ、ありがとうございます!

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その後、「通潤山荘」でひと風呂浴びてさっぱりし、

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1008さんに送ってもらって帰った。 頑張ったシクロクロスもひと風呂浴びさせないとね。

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本日の走行距離:42.5㎞

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わたくしめの文章および写真では「臨場感が伝わらない」と言う方は、みきたかさん製作・監督の動画をご堪能いただきたい。