くまもと自転車紀行

熊本市およびその周辺を走行した記録や装備・メンテなど、自転車にまつわることがらを中心としたブログです

いい空気吸ってペダルを漕ぎたい

年間合計で5000㎞ほどにもなる自転車通勤では主に、東バイパス、北バイパスを走っているが、特に北バイパスには広い歩道があるので、快適に走ることができる。

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しかしながら、車道に眼を向けると沢山の車が走っており、

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大型トラックの姿も多く、

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排気ガスが気になるところ。 それ故、フォルクスワーゲン社のディーゼルエンジン車での排ガス不正問題には関心があった。

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恥ずかしながら、ディーゼルエンジンについてほとんど知らなかったので勉強してみた。 ディーゼルエンジンはドイツの技術者「ルドルフ・ディーゼル」が発明した内燃機関であり1893年に特許を取得した。

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それに先立つ1886年に同じドイツ人のカール・ベンツが特許を取得したガソリンエンジンとの大きな違いとしては、「プラグ」(点火装置)が無いということ。

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圧縮して高温になった空気(600℃以上)にディーゼル燃料(軽油や重油)を吹き込んだ時に起きる「自己着火」をもとにした爆発でピストンを押し出す方式だからである。

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長所としては、燃費(燃焼効率)が良い、二酸化炭素の排出量が少ない、低速トルクがある、耐久性・信頼性に優れているなどが挙げられる。 一方短所としては、騒音・振動がある、黒煙や粒状物質(PM)やNOx(窒素酸化物)が発生しやすい、エンジン自体の大きさ、生産コストが増えるなど。 自動車の排気ガスには環境や人体に悪い影響をおよぼす様々な物質が入っているが、特にディーゼルエンジン車の排気ガスにはPM、NOxが多く含まれる。

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ところで、どうしてディーゼルエンジンではPMが発生するのだろう? ディーゼルエンジンは「自己着火」を利用している構造上、酸素の供給が不十分な箇所ができるため均一な燃焼になりにくく、不完全燃焼となりやすい。

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そのため燃料中の有機物が炭素粒子となる。 さらにはその炭素粒子の周囲に比較的沸点の高い有機物や硫酸塩などが吸着しているものと考えられている。

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ひと昔前まで、バスの黒煙に閉口したり、

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歩行者や自転車の人に嫌がらせをするトラックの運チャンを見かけたりしたが、最近の大型車両の排気ガスも目立たなくなってきた。 自動車排出ガス規制、とくにPMについて規制が始まったのは平成15年からである。 これには石原慎太郎がひと役担っている。 石原はディーゼル車規制を公約のひとつにして東京都知事に当選した。 国の自動車排出ガス規制での対応では不足となっていた東京都の自動車排ガス公害の深刻さに対応するため、ディーゼル車への粒子状物質排出規制を首都圏の他の自治体と共同して行い、平成12年には、都民の健康と安全を確保する環境に関する条例を制定し、粒子状物質排出基準を超えるディーゼル車の、新車登録7年経過後の走行を禁止した。 石原はディーゼル車の数は全ての自動車の中の2割に過ぎないが、全ての自動車から排出される窒素酸化物の約7割と浮遊粒子物質(SPM)のほとんどを排出していることを示し、

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東京でディーゼル自動車の排気に含まれ排出される粉塵の量が、1日に500ccのペットボトル12万本分にも達するとして、会見等でペットボトル入りの煤を撒いて見せた。

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石原の言動はディーゼル車のみを犯人扱いするものだとの批判もあったが、国をも動かし現在では日本の排ガス規制は、世界でも最も厳しい基準値のひとつとなっているとのこと。 なるほど交通量の多い道沿いを自転車通勤しても、多少なりとも安心なのは石原さんのお蔭な訳ね。 強引でアクの強い人だけど、こんな人でないと国を動かすような変化はおこせんのだろうなと思った次第。