くまもと自転車紀行

熊本市およびその周辺を走行した記録や装備・メンテなど、自転車にまつわることがらを中心としたブログです

火山の恵み、水の恵み

熊本市の地下水の事を調べていると、「砥川溶岩」というキーワードに突き当たる。

画像

益城町西部から熊本市東部にかけて地下に「砥川溶岩」の地層がある。「砥川溶岩」には小さな気泡や割れ目が多く、帯水性が高い。 阿蘇を源として白川中流域などで地下に浸透した水は地下に蓄えられ(地下水プール)、この砥川溶岩層へと流れ込む。 砥川溶岩層の中をゆっくり流れるにつれて濾過され、そしてミネラルを含んだ水が熊本市の水前寺や江津湖周辺、嘉島町の上六嘉周辺で地表に湧き出している。

画像

熊本市の水道の水源地の中で最も湧水量の多い健軍水源地の水もこの「砥川溶岩層」から湧き出している。

画像

火山は我々に災害をもたらすけど、一方で恵みも与えてくれる。

画像

八景水谷公園の「熊本市水の科学館」には健軍水源地でのボーリングサンプルが展示されていて、その中に砥川溶岩のサンプルをいくつか見ることができる。

画像

さらに調べてみると、その砥川溶岩は「赤井火山」という益城町赤井にあった火山の火口から流れて出たものであり、そして砥川溶岩層が露出している場所(露頭)が益城町砥川にあるらしい事が分かった。 そこで、土曜の仕事が終わった後、見に行くことにする。 午後2時過ぎ、いつもならサイクリングから帰り着く時刻にシクロクロスバイクで出発。京塚、陸上自衛隊健軍駐屯地経由で秋津川沿いの道に出て、台風18号の影響で向かい風が強まる中、東へ。

画像

目指す赤井火山は、船を逆さにしたように見える船野山の西側にあるので、行き掛けの駄賃で、まず船野山に登ることにする。

画像

県道57号線を右折し、坂道を上り、途中で右に折れる。

画像

林道に入り、しばらく上ると、「畜産団地」の分かれ道を直進する。

画像

調子に乗って上っていたら、

画像

後から傾斜がきつくなってきてヘロヘロになりながら林道の突き当たりへ。

画像

電波塔が建っているが、眺望が効かず、がっかりして上って来た道を下る。苔むした道に注意しながら下りて、県道57号線に戻りさらに坂を下って、途中で赤井の集落方面へ左折。すぐに目指す赤井火山が見えてくる。

画像

この丘は火山活動が始まる時の弱い爆発によってつくられる火山体で、水蒸気の爆発によって円形の小火口が開口し、飛び散った岩片が火口のまわりにつもって小さい丘をつくったもので「火砕丘」と呼ぶらしい(熊本県のHPより)。 戦国時代、この火砕丘は「赤井城」として木山氏の居城となっていた。今も当時の石垣が残る。

画像

城は島津氏の攻撃によって落城し、そして現在では日枝神社となっている。

画像

この丘の西南側の崖に火砕丘の堆積物の様子を観ることができる。

画像

次の目的地、砥川方面へ道を進むと、「赤井水源」

画像

と隣接する「そうめん滝」。

画像

以前来た時より綺麗になっている。 国道443号線に出て、飯野小学校のところから左折し「射撃場」への道へ。

画像

100mほど進んで、岩戸川の対岸に「砥川溶岩」の露頭を発見。

画像

河原に降りるとその辺の石も砥川溶岩らしい。

画像

熊本県のHPによると、サントリービール工場がある益城町小池から嘉島町上六嘉にかけての台地に露出しているらしいので、その辺りを走り回ったけれど、発見することはできなかった。 しかし、浮嶋神社や、

画像

上六嘉の湧水群など

画像
画像

を回っていると、なんとなく砥川溶岩の存在を感じることができた。 田舎道を走り、

画像

秋津レークタウンを経由して下江津湖の西側の江津塘を走り、上無田のバス停の近くの湖畔にある「上無田水神」へ。

画像

火山の恵み、水の恵みに感謝。

画像

本日の走行距離:44.4㎞

画像